柵(しがらみ)

「名探偵 木更津悠也」 麻耶雄嵩 カッパ・ノベルス
 依頼の時期が春夏秋冬の4つの短編集。というか連作に近いです。どの短編にも共通した「白い幽霊」が出てくるのがいかにも麻耶さんっぽいぞ。タイトルはそのまんま過ぎるんだけど読んでる内に妙に納得。ただスゴイ皮肉っぽいが。
 名探偵はなぜ名探偵なのか?この本はそれが主題だ。事件は後回しです。うーん?何を書いてもネタバレしそうだけども。ワトソン役、いわゆる記述者の香月実朝はおそらくは他の誰よりワトソン役が似合う男だろう。木更津悠他が名探偵である事を誰よりも知っていて誰よりも彼が名探偵である事を望んでいる。
 だけどだけど・・・僕は香月実朝が大嫌いだー!こいつ程意図したワトソン役はいないだろうなぁ。