カジノ

千里眼 マジシャンの少女」 松岡圭祐 小学館文庫
 「催眠」の嵯峨敏也、「千里眼」の岬美由紀、「マジシャン」の里見沙希の3人が登場するという贅沢な一冊。
 もうオモシロイ。お台場に出来た巨大カジノの政府高官や警察官僚が招かれたオープニングセレモニーの日。そこを武装勢力に占拠された。
 現実には有り得ない設定だけども。細部がキッチリ書き込まれてるから”もしかして有り得るかも?”と思わされる。そう思うともう負け。完全に世界に嵌まって読むの止まらなくなります。

コロンボ

刑事コロンボ vol.11」
<意識の下の映像 Double exposure>
 今では死語といっていい”サブリミナル効果”を使ったトリックが出てくる。実際にそれで成功する確率はどれくらいか知らないけれど。
 犯人が学者だけあってコロンボとのバトルはかなりハイレベル。それはオモシロイし、証拠の掴み方も皮肉が利いてて好みなんだけども。イヤさ、そんな証拠は犯行の次の日にでもすぐ捨ててないとオカシイと思うのだがなぁ。
 あ、後この話のあるシーンを古畑任三郎でパクる?オマージュしてる。多分、犯人役が明石家さんまさんの回だ。
<第三の終章 Publish or perish>
 ある人に殺人を依頼して殺してもらい、現場に自分が疑われる状況をわざわざ作り。警察には自分は誰かに嵌められたと思い込まそうとするという珍しいケース。
 この話の解決を見ると。コロンボは初めに殺害現場を見た時に全てを読みきってたという事になるんだけども。依頼した犯人のシナリオも。実際に殺害した人のミスもだ。そこらの伏線が弱すぎる。

コロンボ

刑事コロンボ vol.10」
<別れのワイン Any old pont in a stonm>
 事件自体は普通なんだけども。コロンボ物としては異質な作品。雰囲気や物語の構成や色々と、そしてコロンボ自体もキザなのだ。多分イタリアをスゴイ意識してる。
 この話では”コロンボのオフィスのシーン””コロンボが実際にかみさんに電話してるシーン””コロンボが自分の子供について語るシーン”という貴重な物が見れます。
<野望の果て Candidate for crime>
 コロンボが開始1分くらいで登場という珍しい感じではあるけども。内容的にはコロンボらしい。コロンボの追求から逃れようとして一芝居打ったつもりがコロンボに嵌められてるという。それをしなければ状況証拠だけだからいくら疑われようと逮捕はされないのに自ら物的証拠を作ってしまう。そんな感じです。

コロンボ

刑事コロンボ vol.9」
<二つの顔 Double shock>
 双子、といっても一人二役の双子だけど。その双子が出てくるのだが、その扱いがとても上手い。ミステリの場合、安易に双子なんて出しちゃうとダメな事が多いのだけどこの場合イイです。
 ただ”紫”がなぁ。あの紫の意味だけが分からない。
<毒のある花 Lovely but lethal>
 この話ではコロンボが犯人を突き止めるのは偶然だ。でもそれでいい。伏線の使い方が上手で、撮り方が上手いのだ。伏線で僕らを騙す事がこの話の狙いだろうから。

本の話

 興味のない人はまったく分からない話ですが。
 本屋で綾辻行人さんの「暗黒館の殺人 愛蔵版」を見た。愛蔵版は完全予約だったので予約した人しか現物は見られないと思っていたのでラッキーでした。でもホント見るだけで透明なビニールに包まれていたので箱から出して見る事が出来なくて残念。買えば思う存分見られるけど6000円はなぁ。手が出るはずもなく。
 ところで、西尾維新さんの「ネコソギラジカル 上」はいつ出るのでしょう?9月下旬と聞いたからここ10日ばかり毎日本屋通っているんだけど。

記憶

ペイチェック 消された記憶」
 えーっと?何か書こうとするとネタバレになる。
 主人公はここ3年の記憶が無い。望んで進んで契約で記憶を消されたのだ。その代わり葯1億ドルの報酬を得るはずなのに、手元には20のガラクタなアイテム。これは何を意味するのか?そして記憶の無い3年の間に何が?
 記憶が無い。そして20のアイテム。もっとパズル的な話を期待してたけどそうじゃなかった。
 ラストってかエピローグの部分は実にアメリカ、ハリウッド的だ。これが日本の監督ならばそのラストにしなかっただろう。

QAZ

「万華狂殺人事件 魔界百物語3」 吉村達也 カッパ・ノベルス
 サイコセラピスト・氷室想介シリーズ内の魔界百物語シリーズ最新刊。
 青年が17才の誕生日の日。彼を除く一家全員が惨殺された。そしてその3年後。彼のカウンセリングをする事になるのだが・・・。
 途中色々犯人について考えながら読んでたのがバカになるくらいラストは思わぬ展開になります。イヤそんなの聞いてないよってくらい思わぬです。これをアンフェアと取るかはご自由に。
 話は変わるが「魔界百物語」と銘打ってるように百冊で完結するシリーズだと1作目のあとがきで書いている。だけど・・・まだ3作目。1作目が出て3作目が出るまで5年近くかかってる。えーっと?僕が生きてる内に完結すればって著者が生きてる内に完結するのかしら?