聖杯

「聖なる血」 篠田真由美 ノン・ノベル
 龍の黙示録シリーズ第4弾。
 今、”吸血鬼”もののシリーズを書くってのは並大抵ではないだろう。自らハードルを高くしてる様なものだ。過去においてどれだけ吸血鬼ものが小説や映画で作られたか。それらの傑作と戦わなければならない。陳腐なの書くと自滅するだけだ。
 さらに今作のモチーフは”聖杯”だ。これも過去において同様だ。だからよっぽど著者が書きたかった小説であることは間違いない。帯にも”この物語を書きたくて、たまらなかった”と著者自身が書いてるしね。
 そしてそんな小説が面白くない訳が無い。小説として完結していながら、後のシリーズへ続くプロローグ的な小説でもある。